裏庭産牛肉
南太平洋に浮かぶオーストラリア領ノーフォーク島を訪れた。島の面積は35平方キロメートル足らずで、人口は2千人ほど。消費する野菜と果物をすべて自給しているのが特徴だ。
緑にあふれたのどかな場所で、島の半日ツアーでは、道路脇に草を食(は)む牛の群れを発見。バスガイドによると「ノーフォークブルー」という品種で、子牛は主に食用として利用されているようだ。
翌日、あるレストランで食事した際、店の裏庭に2頭の子牛がいるのに気づいた。オーナーいわく飼い猫的な存在で、近所の子どもたちが餌をあげに来るのだという。こちらも餌をあげようと近づくと、あのノーフォークブルーという品種によく似て見える。まさか食用……と思いつつ、聞くのをためらってしまった。地元産の牛肉と聞くとトレーサビリティーの点などで安心感があるが、ペット化された裏庭産となるとやや複雑な気持ちになるのはどういうわけだろう。(芽依)
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