放し飼いの違い

シドニー近郊のホビー農場に行く機会があった。そこでは、農場を自由に歩き回る、生き生きとした鶏の姿を見ることができた。これこそ、都市住民が想像する「フリーレンジ(放し飼い)」だろう。

この農場は、卵のために飼育しており、ペットのようにかわいがられている。羽も色鮮やかだ。こんな鶏から採れた卵ならさぞかしおいしいことだろう。窮屈な鶏舎では1羽当たりの面積がA4サイズの紙と同程度という批判からすれば、この農場に住む鶏は幸せだ。

一方で、フリーレンジで肉用の鶏を飼育する商業的な鶏舎を見に行ったことがある。ここでは、鶏舎と外の牧草部分がつながっており、自由に外と中を行き来できる仕組みだ。昼間に行ったが、外に出ている鶏は皆無といっていい程だった。農家いわく、昼間は暑いため、外には出ないという。鶏舎を見ると、何千羽もの鶏でびっしりと埋まっている。

「フリーレンジ」一つとってもここまで異なるとは驚きだ。現場を訪れる重要性を痛感させられたひとコマだ。(豪々)

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