ファストフードの「和牛」

今週の本誌でも取り上げているが、豪州で「和牛パイ」なるものが現れたようで苦笑している。昨年はファストフードのサブウェイが「和牛バーガー」を販売して話題となっていた。おそらくそれが当たったのだろう。
いずれも大衆をターゲットとした、日本ではあり得ない商品だ。本来超高級とされる和牛がこうした低価格帯の商品に使われるのは、豪州で和牛の定義が定まっていないことと関わっている。「和牛」が「Wagyu」として世界に普及しているのはいいが、豪州では和牛の血統を問題視せず、サシ(霜降り)の入り具合だけを見て和牛としての等級が決められる風潮があるのは、いささか和牛ブランドの将来が危ういと思われる。
和牛がファストフードとして定着した場合、その高級イメージを失う影響がどれほど大きいかは計り知れないのではないか。目先の売り上げを狙うことと、ブランドを守ることは全く異なる。(駑馬)

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