不運なパイオニア
ニュージーランド(NZ)産のワインで最も輸出量が多いソーヴィニョン・ブランのブドウの木がマールボローに植えられたのは1979年だそうだ。約40年前のことだ。
NZで初めてブドウの木を植えたのは、英国国教会のサミュエル・マースデン司祭だとされる。英国生まれの同司祭は1794年にオーストラリアに到着し、1810年代からNZでも布教を開始。北島ベイ・オブ・アイランズのケリケリに今から約200年前の1819年9月、シドニーから運んできたブドウの苗を約100本植えた。同司祭は当時の日記に、NZの土壌と気候はブドウの栽培に非常に適していると書いている。
残念なことに、囲いが不十分だったため、ブドウの苗は山羊の群れに食べられてしまい、実をつけることはなかったそうだ。だが、同司祭に先見の明があったことは歴史が証明している。
羊王国のNZだけに、これが山羊ではなく羊だったら、NZらしい小話になったかもしれない。(城一)
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