ことの葉「魅惑のカード」
ウェルス編集部シドニーの私立病院ザ・サンが、人工股関節・膝関節の置換術後に患者を３～４日で退院させるため、スーパーや食品デリバリー、ガソリンスタンドで使える最大500豪ドル（１豪ドル＝約93円）のカードを提供するプログラムを実施している。
民間医療保険を利用した置換術後の患者には、入院して高水準のリハビリを受ける権利がある。プログラムのチラシには「最も快適な場所、つまり自宅で回復するためのサポートをする」と書いてあるが、これは建前で、保険会社が少しでも入院患者を減らしコストを削減するためというのが本音のようだ。
筆者にも公立病院だが入院の経験がある。病院食といえば質素……ではなくタイカレーやロースト肉など、日本人からしてみれば病んだ体にムチを打つような献立が多かった。もし目の前に例のカードが差し出されたら、すっと受け取ってしまったに違いない。（岩下）
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