第45回 日本の文化をシドニーから発信!ILOHAの畑さん
日本食の人気が高まるシドニーで、「Japanese Style in Sydney」として日本文化を幅広くシドニーから発信する動画メディア「ILOHA(いろは)」が今年7月に始動した。ターゲットはオージーやオーストラリアに住むアジア人で、英語が分からない人も理解できるよう、現在はナレーションを使わずに映像と音楽で情報を伝えるユニークなアプローチだ。ILOHAを立ち上げた畑徳真さん(23)に話を聞いた。
なぜシドニーから日本文化を発信するのかと聞くと、「切り口を変えようと思った」という。これまで日本文化を紹介するメディアは主に、日本に観光客を呼び込むことが目的で、銀座の有名寿司店など、日本国内に焦点を当てたものだという。しかしILOHAでは逆に、海外であるシドニーに焦点を当て、日本に行かなくてもおいしい寿司が食べられる場所や、日本食材が手に入る店などを紹介しようと思ったそうだ。
また、日本文化を紹介するメディアは主に、親日家などそのターゲットが限られているが、ILOHAは、日本にそれほど興味がない人にも広く情報を発信したい考えだ。動画は言語の壁を越えられる良さに加え、「フェイスブックなどの交流サイトで共有されやすく、特に地元発の情報は広がりが期待できる」(畑さん)という。自社サイトもあるが、交流サイトのほうが反応が良いそうだ。地元のフードブロガーがブログ内でILOHAの動画を使うこともあるという。

■コスプレイヤーに注目
今後は動画と合わせて、日本の食品やアニメ関連商品などの物販も計画している。例えば、みそを使った料理を動画で流し、興味を持った人はみそをそのまま購入できるといった仕組みだ。
日本食を紹介する動画で工夫しているのは、「あまり日本日本させずに」シドニーらしいポップな音楽を使っていること。文章についても、オージーのコピーライターを起用し、オージー風ギャグを取り入れたりしているそうだ。
畑さんはまた、潜在的な「日本ファン」として、アニメのキャラクターに扮するコスプレイヤーに注目する。「オーストラリアの若い層に確実に発信できる日本のメディアがこれまでなかった」こともあり、ILOHAはコスプレイヤーとの関係を強めていきたい考えだ。
日本食人気について聞くと、「今三つ挙げるとしたら寿司、ラーメン、和牛」とした上で、それよりも「やりたいのは『次の』トレンドを発信すること」だという。今後ブームになる可能性を感じるのは、「鉄板焼き、抹茶、弁当」だとか。

■20歳で起業
畑さんがオーストラリアに来たのは約2年前。最初はミャンマーやインドネシアで事業をしようと思ったが、ビザの問題や、知り合いがいたことでオーストラリアを選んだ。初めての海外だが、アジアの影響が強いことや、大き過ぎない市場規模が「自分に、身の丈に合っている」と思ったそうだ。
静岡県出身の畑さんは学生だった20歳のときに起業している。地元はサッカーが盛んでフットサル場が多くあるが、当時は会場の予約が電話でしかできず、電話をかけるまで場所が空いているか分からないなど、手間のかかる作業だった。そこで、フットサル場を予約できるサイトを立ち上げたところ、学生を中心に好評だったという。
海外での起業で難しいのは、「文化と言語の違いですね」としみじみ。「大事なことほど日本語の思考で考えてしまう」のがネックで、「会議などでの提案がどうしても『控えめ』になってしまいます」と笑う。
オーストラリアで驚いたのは、夕方5~6時には「誰も働いていない」こと。その半面、時間の使い方を意識するようになったという。まずはILOHAの販売システム構築などを進めるが、将来的には「場所にしばられず」、活動の場を広げていきたい考えだ。
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