自由貿易時代の消費者

豪ドル安が追い風となって、海外からのオージービーフの引き合いが強まっている。オーストラリアの農業に脚光が当たり、農家の売り先が増えるのは喜ばしい半面、牛肉価格が上昇し今夏のバーベキューは高くつくことになりそうで、消費者としてはツライ。

酪農大国ニュージーランドでも同様のことが起きているようで、チーズや牛乳の価格が他の食品よりも高く、「ぜいたく品」になりつつあるという。先日シドニーで会った日本のある酒蔵は、「日本でも品切れの人気だが、需要の見込めるオーストラリアに持ってきた。在庫はこれだけ」と自慢の銘柄を見せてくれた。

自由貿易の波で、良いものは高く売れる場所へと流れていく。良い食材は「勝ち取る」時代。安全、安い、美味しいの三拍子が当たり前の日本とオーストラリアで長年甘やかされてきた自分にとって、試練の時代になりそうだ。しっかり稼ぎ、生産者と良い関係を保たなければ。(葉羽)

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