第1回 Murray Valley Highway編

1.本コーナーを始めるにあたり

豪州は農業大国だ。しかし、都市住民にとってはスーパーマーケット等で見かける日々の農畜産物が育成、栽培されている現場は非常に遠く、実際どのように生産されているのかを目にする機会は少ないのではないか。

仕事上、われわれが当地農業について得る情報の多くは、都市在住の関係者からの聞き取りや新聞または統計情報等二次的情報が基本になると思われるが、生物相手の産業である農業に携わる者にとって、実際、現場に出ていけないということはなんだか寂しい気がする。地域ごとに異なる環境下で行われている農業は、地域ごとの特殊性があり、実際現場に立ってみれば文字や数値情報以上の何かを得ることができるのではないだろうか。

私はそのようなことを漠然と思いつつ、休日、農村地域を中心につれづれなるままにドライブをしている。今回、ウェルスでその内容を紹介させていただくことになった。

2.今回紹介する道

マレーバレーハイウェー(Murray Valley Highway)

(ビクトリア州側のマレーに沿ったかんがい地域を走行し、「かんがい」の偉大さを実感)

3.私が走ったルート

空港があるオルベリー(Albury)からレンタカーで出発、本道東端よりマレー川に沿って西進しスワンヒルまで走行。

(1)オルベリーから本道へ、そしてエチューカ(Echuca)へ

オルベリーからヒュームフリーウェイを通じてビクトリア州に入りマレー川を越え、本道に向かいます(オルベリー付近には、マレー川の水がめであるヒュームダムがある)。その後、マレー川に沿って走るマレーバレーハイウェーマレーに入り、東に進む。

ビクトリア州かんがい地域は乳牛用牧草地として使われる割合が多い。道沿いで乳牛を見かけるとそれを実感することができる。ニューサウスウェールズ州側の同じマレー川かんがい地域では、多くが羊、肉牛が多かったのと対象的である。

 

(2)エチューカからスワンヒル(Swan Hill)へ

道の途中にある都市エチューカはマレー川とカンパスベ川の合流点に位置する水上交通の要衝であり、19世紀後半の鉄道敷設以前には、羊毛運搬をはじめとする水運の要地として栄えた。昔はかんがいがなかったので、大々的に穀物栽培ができず、あまり水がない状況でもできる羊放牧が行われていたのだろう。今は往時をしのばせる観光船がある。

エチューカからスワンヒルに向かう道は、自然植生上、シビアな土地であることを思い知らされる。かんがいされていない部分が荒地となっており、一方でかんがいされている土地は目映(まばゆ)い「緑」を見ることができるからだ。

かんがいされた農地は、麦畑(下段左)、トウモロコシ畑(下段中)、果樹園(下段右)等さまざまに変化することができる。(上段はかんがいされていない土地)

  

4.実際に道を走って

農業生産量向上において問題になるのはやはり「水資源」である。高温多湿な日本ではそれを実感しにくいが、豪州においてはその影響をまざまざと見せつけてくれる。

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