第177回 三次ワイナリー(中)

 日本全国で、ワイナリーは100カ所以上あるという。勉強熱心で向上心の強い日本人気質だろうか、「年々日本国内のコンペのレベルが上がっている」と、三次ワイナリーの石田恒成・製造課長は語る。品質の向上とともに価格競争にさらされる国産ワインだが、消費者への浸透とリピーターを増やすために、独自性を追求することが要求される。

 では三次の独自性とは何なのか。実際にブドウ畑を見せてもらうと、豪州ハンターバレーでも人気のセミヨン種が目にとまった。日本のワイナリーで同種の栽培を続けている所は少ない。また、一部の畑ではセミヨン種に貴腐菌が付くため「貴腐ワイン」ができるという。貴腐ワインは、豪州ではデザートワインやスティッキーと呼ばれ、貴腐菌によって干しブドウ状になったブドウから濃縮された果汁を搾って作る。当然、濃縮されるので多くの果汁はとれず、貴重なワインになる。三次ワイナリーでも、500kgの貴腐ブドウからできる貴腐ワインは樽に一杯程度だという。

 赤ワイン用ブドウの畑も見学したところ、豪州でもなじみ深いシラー(シラーズ)、メルロー、ピノ・ノワールが栽培されていた。ピノ・ノワールは非常にデリケートな品種で栽培が困難とされているが、近年赤ワインの需要が高くなっていることから、数年後を見越して栽培に挑戦しているそうだ。これも、三次ワイナリーの重要なキャラクターとなっていくことだろう。

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