第4回 ウォーター・ポンディング
農地が大規模に荒廃した場合、読者のみなさんならどういった改善方法を思いつくだろうか。オーストラリアの土地は他国の人が思っているよりももろいようで、多くの場所で荒廃した農地や川を目にすることがある。
ニューサウスウェールズ(NSW)州中部のナインガン(Nyngan)周辺も過放牧などにより表土が失われ、農地の生産性が極めて低下した地域の一つだ。その地域では「ウォーター・ポンディング」という方法で農地の生産性向上を目指している。現地を訪れたことがあるが、土壌はパサパサでその下の土は硬く、草が生えようにも根を張るのは難しそうだ。
ウォーター・ポンディングとは土を盛って土のうを作り、上から見てU字型にすることにより、カーブの部分に水がたまるようにすること。なぜU字型なのかというと、いろいろな形を試して水を一番ためやすい形だったという。傾斜によってU字型のカーブがどこに来るかが決まるが、場所によっては四角もあるという。この地域を上空から撮影した写真を見ると、U字型の形が四方八方に広がっており、農地の荒廃さが伝わってくる。
作り方はとても簡単なようだ。まず農地を測量し、どの方向に土のうを作るかを図にする。その後土を持ってきて盛るだけ。まずは水をためることが第一歩で、土壌の状態を改善し、植生が戻るようにしていく。実施中は家畜が土のうに乗り、土のうが崩れる可能性があるため、家畜はその農地から出しておく必要があるようだ。
作ってから数カ月というウォーター・ポンディングは、これしか植物が育たないものかと思うものの、近くに行ってみると、周辺とは異なり土壌が水分を含んでとても柔いものだ。
この方法だと整備コストもリーズナブルだという。ただ、この方法がどこでも通用するかと言えばそうではないのが難しいところだ。ナインガン周辺ではこれが最善の方法とされているようだ。荒廃した農地を改善し、以前のような生産性に戻すには相当な労力と時間を要するということをあらためて実感させられる。
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