ことの葉「それぞれの豆」
オーストラリアの老人ホームでバイトをしていた時のことだ。朝食の介助中、ある入居者にトーストに何を塗りたいか尋ねると、彼は引き出しから缶詰を取り出し「これを載せてくれ」と言った。開けると赤茶色のどろりとした得体のしれない物体が入っていた。白インゲン豆のトマトソース煮、いわゆる「ベイクド・ビーンズ」だった。彼は当地の朝食の定番「ビーンズ・オン・トースト」を望んでいたのだ。
が、筆者は当時その存在を知らず、見た目にも抵抗があり、なぜか「ごはんにヨーグルトをかけて」と言われたかのような強い違和感を覚えた。ジャムも勧めたが、「ビーンズでいい」と譲らず、「本気なんですね?」としつこく確認しながら、渋々のせた。
あの日の衝撃を懐かしみつつ、現在わが家では朝食に、家人はビーンズ・オン・トーストを、筆者は納豆ごはんを、向かい合って食べている。お互いに「よくそんな豆が食べられるな」と思いながら。(猫山)
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