第216回 労働党政権のジレンマ(上)
イスラエルとイランの紛争を巡るオーストラリア労働党政権の対応を、興味深く見ている。アルバニージー首相やウォン外相などの労働党幹部は一見、トランプ米大統領の意向に沿った発言をしている。米国によるイランの核施設攻撃を支持し、イランによるミサイル攻撃を非難もしている。だが、特に中道右派メディアである全国紙オーストラリアンは、米国に同調しない態度を見せているとして労働党政権の及び腰を批判している。実はここに、左派政権による安全保障という深いジレンマが垣間見える。【NNAオーストラリア・西原哲也】