新・たえこのワイン 第42回 「Pieroth Wines」
シドニー郊外のショッピングセンターに試飲ができるワインバーがオープンし、買い物客の目を引いていました。どこかで見たことのあるラベルだと思っていたら、「Pieroth Wines」のワインバーだと気づきました。日本でイベントや空港のワインバーを出店しているので試したことがありましたが、オーストラリアにもあるとは知りませんでした。
【セレブ御用達】
「Pieroth Wines」はドイツで創業したワイナリーで、青く美しいボトルのリースリング「Blue Burg Layer Schlosskapelle」がアイコン的存在になっています。世界各地のワインを取り扱っており、日本では名誉ソムリエであるタレントの川島なお美さんが同社の扱うカリフォルニア産のワインを結婚式で出したことが有名です。
日本で試飲イベントに参加した時には、気に入ったワインを気軽に購入できるような仕組みでなかったことが残念でした。同社はユニークな販売方法を取り入れており、数本セットを基本に、ワインが直接自宅に郵送されるというものでした。あまり一般に流通していないプレミアムの品ぞろえのため独自の販売方法をとっているのかもしれません。
【自宅で試飲会】
同社のオーストラリア法人では、営業担当者が自宅に来て試飲をさせてくれるサービスも展開しています。購入者側が「ぶれない心」を常に持っていれば、さまざまなワインを試せるサービスは素晴らしいと思います。同社のHPでも「wine-tastings are without obligation(購入の義務はありません)」とあるので、判断は常に買い手に任せられるのですが、未熟者の筆者は予算以上の買い物をしてしまいそうで、オーストラリアではまだ試すに至っていません。
【駐在員のためのワイン講座】
豪州のワイン生産地 その7
「クレアバレー(南オーストラリア州)」

クレアバレーはアデレードから北西に約100キロの内陸部にあります。石灰岩質の土壌が広がり、オーストラリアを代表する良質なリースリングの産地として有名になりました。日夜の寒暖差があり、ブドウが生育する時期に降雨量が少ない気候のため、ブドウの実がゆっくりと育つのが当地の特徴です。また、ドライなリースリングに欠かせない「ミネラル」の風味は土壌の石灰岩の影響を受けています。世界のドライリースリングの産地であるフランスのアルザス地方やドイツのプファルツ地方でも同様の土壌が見られます。
リースリングの印象が強いため、あまり赤ワインは脚光を浴びていない当地ですが、バロッサシラーズのような濃厚で力強いシラーズとは異なり、ほっそりした芳香性の高いシラーズがブレンドに重宝しているのと、カベルネ・ソービニョンも人気です。また、場所を選ばず栽培されるシャルドネが当地ではあまり成功していないことが特徴として挙げられます。
クレアバレーで最も有名なワイナリーのひとつが「Grosset Wines」です。同ワイナリーの創業者ジェフリー・グロセット(Jeffrey Grosset)氏は、ワインの栓スクリューキャップの有用性を確信し、オセアニアに広めた革新的なワインメーカーです。それにより、現在オーストラリアとニュージーランドで売られているワインの約90パーセントがスクリューキャップを使用するようになりました。
スクリューキャップにより、リースリングの保存性は一層延びたと言われます。とはいえ、スクリューキャップの歴史はまだ15年ほどですから、今後、長期保存されたスクリューキャップのリースリングがどのように評価されていくのか楽しみです。
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