第3回 オージービーフの人気の秘密
■月1回は西洋料理
上海市の金融貿易区で、同市のランドマーク的存在でもあるテレビ塔「東方明珠塔」や高層ビルが立ち並ぶ、浦東新区陸家嘴エリア。その高級繁華街の大型商業施設の中にあるのが、米高級ステーキチェーン「莫爾頓(モートンズ)」だ。
週末のランチタイム。高級感あふれる店内は、若いカップルや家族連れでほぼ満席だ。恋人と一緒に訪れたという中国人男性は「月に1回は西洋料理を食べに出掛ける」と話す。中でもステーキは大好物で、モートンズをよく利用するという。
モートンズの目玉商品であるフィレやティーボーン、リブアイなどのステーキは、全てオーストラリアからの輸入牛肉。穀物肥育だという。週末のランチセットでも1人当たり平均300 人民元(1元=約19 円)以上するものの、眺めの良い立地や安心できる食材を提供することなどから、人気のレストランとなっている。
男性は「オージービーフは比較的安全で、栄養価が高いと認識している。安心して口にすることができる」と話す。オージービーフは、牛海綿状脳症(BSE)や口蹄疫など疫病が発生していない国として、中国でも知名度は高い。

■肉質の良さと安全性
上海市内ではここ数年、ステーキ専門店や焼き肉専門店が急増している。欧米系のレストランでも、ビュッフェにローストビーフやステーキ、ハンバーガーなど牛肉を使った料理が並ぶほか、コース料理で牛肉料理が出てくるケースも少なくない。
市内でイタリア料理店「Tosto」を経営する兪莉婭さんは「オージービーフは肉質が良いことから、2種類のステーキとして提供している」と話す。柔らかく、全ての焼き方に対応できるほか、こしょうと塩のみで食べてもおいしいからだという。もちろん安全面も理由の一つ。国産牛と比べて仕入価格は高めだが、顧客にも好評だ。
別のイタリア料理店も提供する牛肉はすべてオージービーフ。経営者によると、さまざまな点から検討した結果、オーストラリア産を仕入れることに決めた。
また、「中国人客は柔らかさを重視する人が多い」と話し、オージービーフは中国人の好みにも合うとみる。
ファストフードでも提供オージービーフが使われているのは、レストランだけではない。ファストフード世界大手、米ヤム・ブランズ傘下のピザハットでも、ピザのトッピングとして使われているほか、「オーストラリア産サーロインステーキ」というメニューもある。
ピザハットは2014 年春ごろから、75 人民元でこのステーキをメニューに加えた。中国紙の都市経済報によると、ヤム・ブランズの中国法人、中国百勝餐飲集団(ヤム中国)中国事業部の幹部は「オージービーフの品質の高さが決め手になった」と明かしている。
同紙によると、ピザハットのサーロインステーキは、オーストラリアの牧場で産まれた2~4歳の牛を使用。
幹部はインタビューで「オージービーフは肉質が柔らかく、肉汁も多いことから、「中国の消費者の口にとてもよく合う」と答えており、新メニューとして登場してすぐに人気商品になったという。
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