第5回 羊が雑草をモグモグ、雑草問題を解決!
日本では維持管理予算が十分でないことから雑草が繁茂し、荒廃する公共用地が増えているのが現状です。そのような中、食欲旺盛なヤギや羊を利用して、雑草問題の解決へと取り組んでいる地域があるのをご存じですか?
長崎県の島原半島では、ヤギと羊を活用した荒廃地解消に関するプロジェクトが成果を上げています。今回は、そんな地域循環型畜産モデルの構築に取り組む「ヤギ・羊ECOプロジェクト」についてご紹介します。
このプロジェクトは、維持管理が困難な用地に対してヤギ・羊による除草を推進しています。対象となるのは、地主の不在化や維持コストの縮減により雑草が繁茂した公用地などで、それらの土地の雑草をヤギ・羊に食べてもらう活動を繰り広げています。これなら機械を使わないのでケガの心配がなく、また燃料を使わない、除草後の草を焼却処分する必要がないという点から二酸化炭素の発生も抑制できるというメリットがあります。運営側としては、放牧されるヤギ・羊が病気やケガをしないよう、放牧予定地では前もってゴミ拾いやヤギ・羊にとって毒になる植物の撤去、野犬に襲われないように柵の設置、毎日の巡回などが行われています。
また放牧をすることで、動物とのふれあい空間を活用した活動も実施。地域の子供たちが動物に触れながら学べる総合学習の場を提供しています。
このほか、除草で活躍してくれたヤギ・羊を利用して、島原の特産品開発にも力を入れています。羊肉を生かした地域特産品開発では地元農業高等学校の生徒が協力し、販売については島原半島内・長崎県内の観光事業者が請け負うなど、地域一体となって活動に取り組んでいます。また、羊毛刈りなどのイベントの開催や、ラムやマトンの食肉ルートの開拓など、ヤギ・羊を地域資源として活用しています。
このように、島原半島での取り組みは、人間にとって羊が多様な役割を果たせることを説明しています。
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