Sweet Lie
シドニーから電車で1時間余りの町。空腹を覚え、携帯電話を見ると昼時だった。古ぼけた中華レストランを見つけた。店内は広いが、薄暗く、誰もいない。しばらく立っていると、奥から眼鏡をかけた白人の中年女性がやってきた。中華の店に白人のウエートレスは珍しいと思った。
肉と野菜の炒め物とチャーハンのセットにビールを頼むと、銘柄は指定していないのにコロナビールが来た。ビールを飲み干したころ、料理が運ばれてきた。炒め物をひと口。甘い。チャーハンをひと口。これも甘い。甘いチャーハンは生まれて初めて食べた。料理人が山盛りの砂糖を中華鍋にぶち込んでいる絵が浮かんだ。
料理を残せない体質なので、すべて平らげた。支払いをするとき、ビールの値段が安く、驚いた。ウエートレスに「どうでした?」と聞かれ、「グッド」と答える。端数の50セント硬貨がなく、ポケットをまさぐっていると、「ドンウォーリー」とまけてくれた。いい店だった。(城一)
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