地産池消
農薬を頻繁に使用された果物などは、農薬に対する自己防御反応から皮が厚くなる、と自然農法家から聞いたことがある。それ以来、皮が厚いリンゴなどに出会うと、ああ農薬が強く散布されたのだなと思っていた。
ところが最近豪州で、茄子などの野菜で皮をわざと厚くする品種改良があると聞いて驚いている。皮が厚いと収穫後の物流過程で、傷が付きにくくなるためという。工業製品でいう「歩留まり率」を上げるわけだ。本来消費者にとっては皮が厚いと食べにくいものだが、生産者にとっては扱いやすい商品になる。
日本で最近、その地で取れた農産物をその地で消費するという「地産地消」という言葉が見直されつつある。中国産などの輸入農産物に対する不安が、その傾向に拍車をかけている。
農業輸出国である豪州は“地産遠消”でもある。遠くにいる消費者のことが置き忘れられなければいいが。(駑馬)
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