湖城の窓から「次は『いつ上がる』に注目」

オーストラリアの畜牛価格のベンチマーク、東部地区若齢牛指標価格(EYCI)が、約3年ぶりに6豪ドル(枝肉1キロ当たり、1豪ドル=約91円)台に落ち込みました。

過去3年に渡ったEYCIの上昇は、牧草肥育農家(Restocker)の強い需要が背景です。干ばつで牛を手放した彼らは、後に降水量の回復で生産コストが下がると、在庫を揃える必要性から穀物肥育場(Feedlots)や加工業者(Processors)より高い金額で牛を購入しました。EYCIの最高額は、昨年1月に付けた11.91豪ドルですが、その時の牧草肥育農家の平均支払い金額は12.73豪ドルで、穀物肥育場や加工業者のそれを約2豪ドル上回っていました。

EYCIは現在、6.97豪ドルに下落しています(8日現在)。内訳を見ると牧草肥育農家の支払額は7.3豪ドルで、穀物肥育場は6.8豪ドル。その差は0.5豪ドルに縮まっています。

畜牛価格は、牧草肥育農家の需要が大きな決定要素であり、その需要は現在弱まっているということが示されています。しかし牧草肥育は気候にセンシティブな業界です。今後ラニーニャ現象も終わり、乾燥した気候になる可能性が強いことから、意外と早く底を打つ可能性もあるかもしれません。(編集長)

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