湖城の窓から 「人手不足なのに 」

オーストラリアでは現在、さまざまな業界でストライキが行われています。シドニーでは教員や託児所などに加え、駅改札のカード読取機の電源オフを計画した鉄道業界などに注目が集まります。では、過去最高に近い生産高を上げ、業況が良好な農業界ではこうした労働争議は発生しているのでしょうか。

調べてみたらありました。酪農業界です。西オーストラリア州パースにある乳業加工大手ベガのベントレー工場では、会社側が提示した年2.75%の昇給に納得がいかないと従業員がストを起こし、今も継続しています。この昇給率は、今年第2四半期(4−6月)の消費者物価指数が前年同期比6.1%も上昇し、21年ぶりの高水準となったことを考えると、確かに十分とは言えないかもしれません。

ちなみにベガのベントレー工場では、契約農場からの集乳や加工は継続しています。同工場は小売大手コールズが酪農家と直接契約した生乳の集荷や加工も請け負っていますが、コールズはストによる影響はないと認めています。

そんなコールズですが、工場のスト期間中に、牛乳の販売価格を約20%値上げすることを決めました。農家へ支払う生産者乳価の上昇が理由としていますが、消費者が負担した値上げ分は、果たして薄給を訴える加工業界へも還元されるのでしょうか。ベガの雇用主としての対応も注目されます。(編集長)

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