第40回 豪州流食料の生かし方
食材が安くなり、その価値が失われている」「都市化が進み、農産物の生産地との距離が広まっている」。前回もこの欄で書いた、英研究所のサプライチェーンにおける食料の破棄に関するリポートについて再び書いておきたい。オーストラリアでも食料の廃棄に関する議論が進められているからだ。
パナソニック・オーストラリアが国内の家庭500世帯を対象に行った調査で、一番廃棄されているのが牛乳であることが分かっている。これにレタス、パン、トマト、ヨーグルトが続く。85%の回答者は「それほど食材を無駄にしていない」と考えていた一方、年600豪ドル(約6万円)相当の食材が捨てられていた。
1月に開催されたシドニー市主催の食料廃棄に関するフォーラムでは、オーストラリア流の食材の生かし方が活発に提案されていた。オーストラリアでは、買い物袋5袋のうち1袋が廃棄されており、ゴミの中では食料が一番多いのが現状だ。
先進国では小売りや消費者レベルでの食料廃棄が多い中、パネリストからは以下のような提案がなされた。
◆食料の価値を高める
◆食料を自分で生産する
◆あまった食材はレシピを探して使い切る
◆使い切れない食材は過熱して冷凍庫へ(加熱した肉は冷凍庫で6カ月保存可能という提案もなされた)
◆献立を作る
◆見た目が悪い野菜はスープやドレッシングとして使う
◆スーパーの販促に翻弄されない
またオーストラリアならではの意見もあった。「肉を生産しなければ、世界ではより多くの食糧を生産することができる」これは、よく言われていることだ。ただ、パネリストとして参加していたクイーンズランド州南部の牛肉生産者は「この地では穀物生産ができず、放牧しかできない。我が家族は牛肉生産を通じて生計を立てている。牛肉を食べないのではなく、どう農家が持続的な放牧を行っているかを理解してほしい」と語った。1頭を出荷するまで4年という歳月が費やされる。末端の消費者で食肉が捨てられている状況はみたくないものだ。
食料を毎回腐らせ、泣く泣くゴミ箱行きを経験してきた筆者も最近ようやく結論にたどり着いた。それは、「高品質な食材を少量購入すること」だ。自分がいる場所、つまり生活環境を見直し、一つでも食料を無駄にしないよう一歩を踏み出せればいいように思う。
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