第11回 国立公園とは何か
豪州には少し車で郊外に行くだけで、国立公園や自然保護区へ行くことができる。筆者が思い出に残っているのは、南オーストラリア州にあるナラコーアテ・ケーブ国立公園。哺乳類化石地域の一部として世界遺産にも登録されている同公園は、ツアーで洞窟を見て回ることができる。筆者はツアーに参加した際、通り抜けられるかどうかというスレスレの場所を上るときに、腕の力がなさすぎて、危うくその場所から動けなくなりそうになり、「自分もここで化石になるかも」と焦った苦い経験がある。
そもそも国立公園というのは、1872年に設立された米国のイエローストーン国立公園が最初だ。特徴ある自然を保護し、レクリエーションの機会を提供することが初期の目的だったものの、その後自然保護にフォーカスが移行し、観光客以外の人を極力公園内から除外するようになった。世界の国立公園はイエローストーン国立公園をモデルにするケースが多かったものの、原住民が公園内での住居を希望したり、資源の利用を求める声が高まったことを背景に、政府と原住民による共同管理(Co-management)が行われている傾向にある。
共同管理とは、地域に住む住民と管理当局が共同で自然を管理することで、住民の声が反映されやすくなっている。豪州でも、アボリジニが権利を主張し、政府と共同で管理している国立公園が存在する。世界のヘソであるウルル周辺のウルル―カタ・ジュタ国立公園やグレートバリアリーフ海洋国立公園が一例だ。
ほかの管理方法として、区域に分けて管理をする「ゾーニング」がある。ゾーニングは、日本でも使われている管理方法だ。日本の環境省のHPによると、特別保護地区、第1種特別地域では自然価値の高い生態系維持のために、研究目的以外の人間活動は禁止されている。一方、第3種特別地域では、農林業と調和を図る地域とし、森林の伐採が可能な地域もある。豪州ではグレートバリアリーフ海洋国立公園で、漁業や観光などの産業活動地域をゾーニングで区分しているようだ。
国立公園に足を運んだ際には、どのような管理体制になっているのか、気にかけてみるのも面白いかもしれない。
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