第106回 Bass Phillip Wines

シドニーのロックス地区にある落ち着いた雰囲気の老舗タイレストランSailors Thaiでワインを選んでいたときに、「このピノ・ノワールはこのレストランの特注です」という文句が目に留まった。昔から「ここでしか飲めない」とか「特注品」という言葉に弱いので、迷わずそのBass Phillip Winesのピノ・ノワールを注文した。
出てきたワインボトルにはシンプルに品種のシールが張ってあり、ワインメーカーであるフィリップ・ジョーンズ氏のサイン付。正に「特注品」という感じがしてなお良い。グラスに注がれたワインはピノ・ノワールの明るい色合いはそのままだが、透明ではなく「にごり酒」のような白濁をもっており、明るい色彩とラズベリー、チェリーのほのかな香りが若々しいイメージを与えている。
Bass Phillip Winesはビクトリア州のギプスランド南部にあり、この地区でピノ・ノワールを作り始めたパイオニア的存在。酪農で有名なギプスランドは涼しく、湿った気候で、その中でも最も気温が低く風が強い南部の気候はピノ・ノワールの栽培に適しているそうだ。ワイナリーは商売っ気がないのか「電話予約により開店」と書いてある。それを見て無性に訪れてみたくなった。
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