ことの葉「シシャモはどこだ」
オーストラリアでアジア系グロッサリーに行くと、いつもシシャモを探す。20数本入った500グラム入りで大体12ー15豪ドル(1豪ドル=約102円)くらいする。日本では庶民の味方である小魚が、こちらでは高級魚と言えるかもしれない。
しかも、そのシシャモはオーストラリアではここ数年で2倍に値上がりしているので閉口している。さらに、オーストラリアに輸入される魚は、病原体の感染防止のために、頭とエラ、内臓を切り取らねばならないという規制がある。そのため、あんな小さなシシャモがすべて頭部がない状態でパックされている。
だが一番の問題は、そのシシャモを扱うグロッサリー自体がわが近所にはないことだ。売られていないのを知っていながら、店主にわざわざ「多春魚(中国語でシシャモの意)はないの?」といちいち聞いている。
そうすれば店主は入荷してくれるかもしれない。こうして魚好きの日本人としては、庶民の魚が気軽に買える日本が恋しくなっていく。(西嵐)
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