湖城の窓から「政府の秘策?」

オーストラリア連邦政府がこのほど、2028年までに生体羊の海上輸出を禁止する計画に関し、とっておきの秘策を繰り出すようです。

生体羊の禁輸に対してはすでに法制化が進み、2024/25年度予算案で総額1億700万豪ドル(1豪ドル=約100円)の移行支援パッケージもまとまっています。

しかしこの計画には、現在でも農業界の反発は根強く、先月には全国農業者連盟が首都キャンベラで抗議デモを行いました。

そうした中、コリンズ農相は今回、輸出産業の中心地である西オーストラリア(WA)州を訪問し、「業界を理解する」という目的で禁輸の影響を受ける関係者らと協議する予定です。その席で同相は、業界に対し3,270万豪ドルの追加拠出を発表するとみられます。

こうした金をちらつかせる施策に反感を感じる生産者も多く、関係団体の幹部は「政府に対する信頼感の低下を食い止めるには中途半端な試みだ」と厳しい見方を示しました。協議への参加自体を拒否した肥育農家もいるようです。

かつて一方的に生体牛輸出を禁止し業界の強い反発を受け、後の裁判で生産者へ賠償金を支払うよう命令を受けた連邦政府。今度の札束攻勢で懐柔できるのか注目されています。(編集長)

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