第176回 夢の跡のつわものたち
オーストラリアの総選挙で惨敗を喫した保守連合、特に自由党が、今後の方針に揺れている。前政権で国防相を務め、タカ派外交で名をはせたピーター・ダットン氏が自由党党首になり、右傾化するかと思いきや、今後は環境政策や財政再建、地方や中小企業支援など、より内向きの政策に注力していく方針だという。日本では「外交は票にならない」と言われ、外交で手腕を発揮しても地元選挙では評価されないという嘆き節がよく伝えられる。その意味では、オーストラリアでも外交の成果が国民に軽視される風潮が強まっているのかもしれない。