ことの葉「こだわりの注文」

以前カフェで働いていた時、毎日呪文のようなコーヒー注文を聞き取るのが困難だった。ひと言「レギュラーラテ」と言われると拍子抜けして聞き直すほど、シンプルな注文は少なかった。

彼らのこだわりは、フード注文にもよく表れた。ひと言目に、今日はプロテインが足りてないから卵を5個食べたいなどと言う。ちなみにそのカフェでは卵1つで3.5豪ドル追加だ。じっくりとメニューを読んでから全くメニューにないものを注文されることもあった。シェフにも許可を取って、希望のものを提供したところ、大いに喜んでくれ、ほっとしてから次の呪文を聞きに行く。ふと、先の客を見ると、約半分も残して帰っていった。あれだけこだわりを持って注文したオリジナルメニューを半分も残す姿には、あぜんとさせられた。オージーのこだわりは、いまだに理解できていない。(春芳)

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