オセアニア農業の歩み「コメ産業に革命!」

ニューサウスウェールズ(NSW)州リベリナ発の「ナイスライス」は、オーストラリアのコメ産業に静かな革命をもたらそうとしています。シングルデスク制度の廃止は、長らく続いてきたコメ輸出の一極集中体制に終止符を打ち、農家自身が「誰に、どのように売るか」を自由に選べる新たな時代の幕開けを意味します。

これまでのように巨大企業に一括で買い取られるのではなく、生産者が自ら出資し、自分たちのブランドで直接市場にコメを届けるーー。この取り組みは、単なるビジネスモデルの変化にとどまらず、農業のあり方そのものを問い直す動きとして注目されています。

足元では、オーストラリア産米の輸出も堅調に推移しています。NSW州産米の唯一の輸出業者であるサンライスによると、特に中東諸国やニュージーランド、サウジアラビア、クウェートなどでの需要拡大が大きな要因です。輸出金額も昨年度は3億9,300万豪ドルと前年比で10%増加しており、国際市場におけるオーストラリア米の存在感が高まっていることがうかがえます。気候リスクにさらされながらも、「品質と持続可能性」で勝負を挑むナイスライスの成長に今後も注目していきたいと思います。

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