湖城の窓から「日本由来のニュートレンド」

オーストラリアの食肉業界で、「WAGYU」に続く新たな日本由来のトレンドが生まれるかもしれません。

それは「KOKUMI」。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味に続く第6の味覚として、オーストラリア食肉加工業者協議会(AMPC)がコク味の研究を始めました。

AMPCは、コク味をアルコールや醤油、チキンスープやエビペーストなど、熟成発酵食品などで自然に発生する風味とし、「ほかの5つの味を高め、風味を長引かせる豊かでまろやかな感覚」と定義付けました。その上でニュージーランド(NZ)の研究機関アグリサーチNZと共同で、牛のレバーなどの内臓肉からコクを引き出すアミノ酸(ペプチド)を抽出する方法を探っています。

日本では内臓肉はホルモンとして人気ですが、オーストラリアでは全体的に価値が低く、ペットフードなどに使われています。AMPCは研究が成功すれば、コク味調味料という付加価値の高い商品が生まれ、食肉加工業界にとって新たな収益源になると力を入れています。

日本の和牛を本歌取りしたオーストラリアの「WAGYU」。うかうかすると「KOKUMI」を世界に発信するのはオーストラリアになるかもしれません。(編集長)

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