第27尾  「Garfish(サヨリ)」

最近はシドニーの魚屋で、このサンマに似たサヨリをよく見かける季節になりました。しかしサンマと明らかに違うのは、針状に突き出ている下アゴでしょう。サヨリの旬は秋冬から春で、最大40センチの大きさになります。

下アゴが尖っている理由は不明のようです

サヨリは、日本では刺身や天ぷら、塩焼きなどで好まれる高級魚の部類で、日本ではあまり食べる機会がありませんでしたが、シドニーではガーフィッシュと呼ばれてどこでも買える庶民魚のような位置づけです。

筆者が買った時は1キロ9豪ドル(1豪ドル=約90円)程度と、サバのような安魚の扱いをされていました。ただしこれは鮮度にもよるようで、卸売り市場では23豪ドル以上しました。

ガーフィッシュは入り江や河口の海面近くに生息しているので、オーストラリアでも釣りの愛好家に人気です。オーストラリアのガーフィッシュは、日本のサヨリとはやや種が異なるようです。

肝心の味ですが、シドニーのフィッシュマーケットで買わない限り、鮮度はなかなか判断しづらいので、筆者は刺身にはしたことはありませんが、サヨリの刺身は透明感があっておいしいものです。

オーストラリアでもバーベキューでよく好まれます。小骨は多いですが、ムニエルにしたり、油で揚げるとそれも全く気になりません。塩焼きにすると、どことなくアユを思わせる旨みがあり、クセになりそうです。(西原哲也)

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投稿者プロフィール

西原哲也
1968年長野県須坂市生まれ。早稲田大学社会科学部卒。時事通信社外国経済部記者を経て、香港大学大学院アジア研究修士課程修了。共同通信グループNNAの香港華南版編集長、中国総合版編集長を経て、現在NNA豪州代表取締役