第26尾 「Flatfish(カレイ)」

「左ヒラメに右カレイ」と言われますが、海外でこの2匹ほど混同されている魚はないでしょう。今回はカレイを取り上げますが、オーストラリアのフィッシュマーケットでは時に「Brill」や「Turbot」という表記で売られています。いずれも「欧州産ヒラメ」の英語名です。逆もまたしかりで「Flatfish」の調理法を紹介したサイトでは、ヒラメがさばかれていました。

体高が高くて幅が広い「アサバガレイ」に似ています

しかもオーストラリアで売られるカレイは、日本の主要なカレイの種類とはやや異なります。世界で100種類以上のカレイが存在していますが、今回のカレイは、体高が高くて幅が広く、円形に近い形状からすると、日本で知られる「アサバガレイ」や「ツノガレイ」に近いようです。

カレイは、比較的寒冷な海域に多く生息し、常に海底で身を潜めているため筋肉質ではなく、身は柔らかいのが特徴です。一方、ヒラメは形状が似ていながらも、小魚を捕食するため身が筋肉質で身が締まり、味もコリコリとしています。

そのためカレイは、煮付けやフライ、焼き魚などの加熱処理することで、身が硬くなりすぎずふわっとした食感を楽しめます。個人的にも、刺身にするよりは、カレイをそのままフライとして揚げ、骨までおいしく食べるのが好きです。

冬から春にかけてよく店頭に並びます。体長は30−40センチが主で、大体1キロ約20−25豪ドル(1豪ドル=約92円)程度で売られています。【西原哲也】

公式SNSをフォロー

投稿者プロフィール

西原哲也
1968年長野県須坂市生まれ。早稲田大学社会科学部卒。時事通信社外国経済部記者を経て、香港大学大学院アジア研究修士課程修了。共同通信グループNNAの香港華南版編集長、中国総合版編集長を経て、現在NNA豪州代表取締役