第3回 豪州現代奴隷法の基本 ―何が求められ、誰が対象か
前回は、移住労働者をめぐるリスクと、現代奴隷法の改正の方向性を取り上げました。本記事では、現行の豪州現代奴隷法(Modern Slavery Act 2018)の要求事項についてご紹介します。
■誰が対象になるのか
豪州現代奴隷法は2019年1月に施行された連邦法で、年間連結売上高が1億豪ドル以上の企業及びその他の事業体に、毎年「現代奴隷声明(Modern Slavery Statement)」を政府の公開レジスターに提出することを義務付けています。対象は豪州法人に限らず、豪州で事業の一部を行う外国法人も含まれます。豪州に現地法人や支店を置き、一定規模の事業を行っていれば、親会社が海外にあっても対象になり得る点は見落とされがちです。また、豪州政府自身も、年次の現代奴隷声明を公表しており、政府調達および投資における現代奴隷リスクを特定・対応するための取り組みについて説明しています。売上高が基準に満たない企業も、任意で声明を提出することが可能です。




