ことの葉「旅は隣から」

ニュージーランド(NZ)のオークランドに出張した初日、小雨の中で温かい物を求めて入った日本食レストランで味噌煮込みうどんを注文した。運ばれてきた途端、隣でカツカレーを食べていた現地の女の子が「それは何ていう料理?」と興味津々。味噌ベースのうどんだと伝えると、「次はそれを頼むわ!」と目を輝かせた。異国で郷土の味が受け入れられるのを見て、心まで温かくなった。

翌日、パブでNZ名物のグリーンムール貝を楽しんでいると、またもや隣にいた別の女の子が話しかけてきた。「韓国人?」と聞かれ、日本人だと伝えると、「なんと! 私、日本が大好きなの!」と弾む声。自分がキャビンアテンダントで、日本には何度も行っているのだと話してくれた。こちらも礼を述べ、ムール貝のおいしさを伝えると、誇らしげにうなずいていた。

旅先での一期一会は格別だ。NZでは、「名物料理」よりも「隣の席」が思い出になった。(花坊)

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ウェルス編集部

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