オセアニア農業の歩み「趣向凝らしたPR」

今週は、トップ記事でシドニーの酒フェスティバルについて取り上げました。現地では、日本酒の紹介にとどまらず、各出展者が趣向を凝らしたPRを展開していたのが印象的でした。長野県は発酵食品や調味料など「酒に合う食」を試食で提供。外国人観光客の7割はオーストラリア人が占める新潟県妙高市は、スノーリゾート以外の魅力として地域の特産品をアピールしていました。酒蔵各社も果実酒といった売れ筋商品の出品を増やすなどして、来場者の関心を巧みに引き込んでいました。

老舗の酒造も挑戦的でした。日本酒に梅を10カ月漬け込んだ珍しい梅酒や、ワイン用と日本酒用の酵母を掛け合わせたハイブリッド酵母を使った白ワインのような飲み心地の純米酒など、ユニークな一品が注目を集めていました。こうした多様な工夫は、日本酒の可能性を改めて感じさせます。

オーストラリアは日本酒の輸入国として昨年8位に位置しました。中国や米国、アジア各国に次ぐ規模ですが、過去の伸びを踏まえると、5位圏内に食い込むことも可能でしょう。今後の日本酒輸出市場の成長をこれからも取材したいと思います。(本田歩)

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ウェルス編集部

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