第217回 労働党政権のジレンマ(下)
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そのオーカス(AUKUS)は現在、存亡の危機に直面している。ドナルド・トランプ氏が米大統領選挙で勝利した直後の昨年11月時点で、筆者は当欄で、オーカスの将来の実現性について大きな懸念が浮上しており、「早晩大きな変更を余儀なくされるのは間違いない」と書いた(第202回「難航必至のAUKUS(上・下)」)。それから半年以上たち、事態は全く改善されていない。トランプ大統領は依然としてオーカスに前向きではないため、もともとオーカスには熱心ではなかった労働党が、これを機に原子力潜水艦導入自体を見直すプランを提起する可能性もある。【NNAオーストラリア・西原哲也】