オセアニア農業の歩み「“希望がある”の裏側には」
ハンターバレーでの取材では、リレー氏が、畑の土を掘り返してミミズを見つけ、心から嬉しそうにしていた姿が印象的でした。土壌の健康を何よりも大切にし、自然とともに歩むという姿勢は、同社の持続可能なワインづくりの原点であると感じました。
ハンターバレーは湿度が高く、夏には40度を超える日もあるなど、ブドウ栽培には厳しい環境です。そのような中で、リレー氏は「週の初めに立てた作業計画が、天候の変化で数日後には一変することもある。柔軟さがなければやっていけない」と語っていました。自然と向き合いながら、日々の判断と工夫を重ねている様子からは、地道な努力と土地への深い理解がうかがえました。
また、子供が2人いるとのことで家族経営の今後について聞くと、「自然との闘いは厳しい。子どもには自由に選んでほしい」と話され、継承については明確な答えを控えていました。気候変動の影響を最前線で受ける中で、親としての複雑な思いがあるのだと感じました。
「オーストラリアのワイン業界には希望がある」と語るリレー氏でしたが、明るい表情の裏には、生産現場の苦労と強い覚悟がにじんでいました。
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