湖城の窓から「破綻の原因は?」
破綻した南オーストラリア(SA)州の乳加工大手ベストン・グローバル・フード・カンパニーが、12月初旬にも操業を停止する見込みです。
SA州酪農家協会(SADA)によると、ベストンの資金繰りが悪化し、支払いが遅れ始めた当時、複数の乳加工会社が酪農家にアプローチしてきました。この動きは生乳に対する需要自体は存在することを示すとされ、SADAの元代表は地元紙に「ベストンには数年前に開設されたばかりの世界基準のラクトフェリン工場がある」と述べ、その存続に自信を示していました。
しかし、9月に管財人に任命された会計大手KPMGも買い手を探し続けてきましたが、結局救済者は現れませんでした。
ラクトフェリン事業に対しては、雪印メグミルクが買収元の最有力候補として目されたこともあります。雪印は現地を訪問しデューデリジェンス(資産査定)も実施したものの、提案からわずか2週間で交渉は終了しています。
ベストンは業績悪化の原因をコスト高騰と高い生産者乳価が競争力を奪ったとしていますが、これは他社も同じなはず。ベストンの経営そのものが会社に取り返しのつかない傷を付けたとの見方も出ています。ベストンに納入された生乳の未払い債務は、1,000万豪ドル(1豪ドル=約100円)に上るとみられ、160人の従業員と、22軒の酪農家の将来が危ぶまれています。(編集長)
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