湖城の窓から「酪農家の圧力」
ニュージーランド(NZ)の乳業最大手フォンテラが今週、予想生産者乳価を引き上げたことに、海を越えたオーストラリアの酪農家が沸き立っています。
21日に実施された乳製品の競売システムGDTで、価格指数が5.5%上昇と大きく伸びました。これを受けてフォンテラはNZの予想生産者乳価を従来から0.5NZドル引き上げています。この一連の動きにオーストラリアの酪農家団体ADFが反応し「慎重ながらも楽観的」とコメント。「フォンテラのオーストラリア部門だけでなく、サプートやベガ、ラクタリスなどが乳価を引き上げるのに適した環境が整っている」としました。
大幅とはいえ、わずか1回のGDTの値上げでオーストラリア側が沸き立つのは訳があります。ビクトリア州酪農家協会によると、現在の生乳生産コストは7.9-8.2豪ドルです。その状況で、トロントを拠点とするサプートの幹部が先に「生産者乳価はできるだけ長期間、8.2豪ドル程度の低水準で維持されることを願う」と発言し、収益すれすれか赤字経営が多いオーストラリアの酪農家が大反発した経緯があります。
酪農家の神経を逆なでするような発言の直後にGDTが急上昇したため、ADFのベネット会長は「乳価を明日引き上げろと言っている訳ではない。慎重に検討する時間を与えるが、オーストラリアの全酪農家が注目している」と乳業会社にプレッシャーをかけています。(編集長)
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