足長おばさん

シドニーで従業員の多くがウクライナ難民というレストランに行った。そこは1人がコースメニューを頼むごとに、シドニーとウクライナに住む難民各1人の1食分が寄付に回る。同店のウェブサイトには現在雇用しているウクライナ難民の数や寄付による難民支援数などが掲示されていた。

以前、同じ趣旨のレストランに行ったことがある。そこはメニューの価格がなく、お金を払わなくても食べられる。ただ、但し書きに「あなたがもし15豪ドル(1豪ドル=約96円)払えば、あなた以外に無料で食べに来る生活困窮者の1人分の食費を出せる」と書いてある。

そこで食事している最中に、隣のテーブルに自前だろうと思われる、ぼろぼろのマグカップを持った若者が座った。食事をそのマグカップによそってもらい、半分食べた後はそのままマグカップを持って、お金を払わず帰って行った。彼の食費にと思い、会計で15豪ドル払った。足長おじさんならぬ足長おばさんになった気分だった。(花坊)

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