編集後記- vol.335

盲導犬を連れた男性に近くにゴミ箱はありますか?と聞かれました。やや離れた場所にしかゴミ箱がなかったので代わりに捨ててきますよと提案すると、やや申し訳なさそうに小さな黒いゴミ袋を渡されました。中身はワンちゃんの「アレ」だとすぐに悟ったものの、気付かぬふりをしてNo worries !と精一杯の明るい声で引き受けました。(松子)

 

親しい盲目の友人がいます。彼は頭が格段に切れるほか、聴覚が非常に優れており、携帯電話に残されたメッセージなどを普通の人間なら聞き取れない速さで再生していたり、自分が発した声の反響で周囲の障害物を認知したりするのに驚きます。先日彼の部屋に行きましたが、私の部屋よりよほど片付いていることに恥ずかしくなりました。(西嵐)

 

盲導犬の訓練中の子犬を1年ほど預かるプログラムがあります。子犬が幅広い人と信頼関係を築くための大事なステップで、預かる場合は完全に無償です。犬を飼いたくても、20 年近く庭付き一戸建てで暮らせる補償ができないので、是非応募したいと思いましたが、引き受けるための選考が激戦のため諦めました。(梅枝)