地声人語 - vol.649
■保育園に行く途中に、立ち止まるのを躊躇する信号がある。なぜなら、そこら中に鳥の糞が落ちているからだ。歩道は全面白くなっており、日々その白色が増えている。なるべく落ちている糞が少ない場所に立っているが、子ども2人の手を握って早く信号が変わらないかソワソワとしている。(亜梨)
■会社に行く途中に、通るのを躊躇する道がある。なぜなら、その通りはスモーカーがたむろしているからだ。息を止めて通り過ぎるにはギリギリの距離。だが、息が続かず思わず吸い込んだ途端に煙爆弾に見舞われると最悪だ。誰もいない時に限ってこの道を通るが、道自体が臭い気がしてモンモンとしている。(西嵐)
■駅に行く途中に、入るのを躊躇する紳士服店がある。なぜなら、店員がギャング みたいだからだ。店構えは高級で、展示の服も上品だ。でもなぜか、店員はみなタトゥーとアクセサリーが全開。人は見かけによらぬとは言うけれど、どこか物おじする。ジャケットを買いたいが腰が引けてビクビクとしている。(尋助)