編集後記- vol.280
義母はオージーだが、いい大人である筆者夫婦に「ちゃんと食べているか」「寒いから上着を着なさい」など口を出すおっかさん気質。典型的な欧州系の食生活で、日本食はダメ。その義母が、筆者がパブで頼んだアジア風料理に「今年は少し食べてみる」とフォークを伸ばし、一口だけ米をパクリ。新年早々、うるっときてしまった。(編集長、葉羽)
母は中学を卒業する時、貧しい家計をやりくりする親をおもんぱかって働きに出たそうだ。つまり中卒程度の学歴しかない。なのに、ある程度英語を理解するなど、地頭の良さには昔から感心していた。その母が今や74歳になり、数年前にあげたiPadの使い方を先日聞いてきた。本当に簡単な使い方なのに。新年早々、うるっときてしまった。(西嵐)
父は筆者が幼いころから毎年、えとを彫った木版画で年賀状を作製している。家族4人がえとになって毎年登場するのだが、なぜか今年は父と母の2羽の酉(とり)しかおらず足元に卵が二つ。気になって聞いてみると、家から出た娘たちに対し早く家族を持って孫が欲しいという願いをこめたらしい。新年早々、うるっときてしまった。(花坊)