第21尾 「Flathead(マゴチ)」

「名は体を表す」という文字通りのフラットヘッドは、日本名ではマゴチです。しかし、そのゴツくてイカツイ姿に似合わず、刺身にしても美味な魚です。フラットヘッドはその成長過程で、35センチまでは雄で、40センチ以上になると雌に性転換するという特徴を持つ不思議な魚です。

 

浅い砂地や泥地でエビなどを捕食しているため、オーストラリアでは主に夏に、湾の浅瀬でよく釣れます。筆者もシドニーで、フラットヘッド狙いの釣りをしたことがあります。コチはつがいで行動するため、1匹釣れると同じ場所で2匹目も釣れると言われますが、個人的にはそれを体験したことはありません。

ニューサウスウェールズ(NSW)州では、フラットヘッドは10尾という持ち帰り規制があり、30センチ未満の幼魚だと持ち帰れません。

マーケットではほぼ年間を通して店頭に並びます。売り場のフラットヘッドは大型でもせいぜい60センチ程度ですが、成長すると最大約1メートルにもなるようです。季節にもよりますが、大体1キロ当たり20豪ドル(1豪ドル=92円)程度です。

オーストラリアでは、油で揚げたりバター焼きなどにしますが、やはり刺身がおすすめです。くさみのない、透明感のある白身は、日本で高級魚と言われるだけのことはあります。(西原哲也)

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投稿者プロフィール

西原哲也
1968年長野県須坂市生まれ。早稲田大学社会科学部卒。時事通信社外国経済部記者を経て、香港大学大学院アジア研究修士課程修了。共同通信グループNNAの香港華南版編集長、中国総合版編集長を経て、現在NNA豪州代表取締役