幸運な国々と日本
オーストラリアとニュージーランド(NZ)はつくづく幸運な国だなと思う。肥沃な土地がふんだんにあり、農業の豊かさが際立つ。
食料自給率で見ると、日本は38%しかないのに、オーストラリアは223%、NZは300%もある。両国で地震や火災など大規模な災害が起きても、どことなく安心感があるのは、最も大切な食糧を輸入せずにすむことがあるからだろう。コロナ禍も、両国は世界的に上出来の舵取りだった。
人口面でも、日本は26年に1億2000万人を下回り、48年には1億人を割り込むまで減少するというのに、オーストラリアとNZには世界中の若者が集まり、オーストラリアの人口は30年には3000万人を超え、NZは520万人を超す見込みだ。
これら両国の農業は、日本にとってますます重要な時代になると思われる。農業のノウハウを持つ日本と、スケールと人手を持つ両国が、農業でつながりを深めるのは、極めて重要な国家戦略になるのでは、と感じている。(西原哲也・NNA豪州代表取締役)
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