湖城の窓から「リスキリング」
今週のオーストラリア農業界の事故と言えば、通信衛星の故障でしょう。英インマルサットが運用する静止衛星の通信サービスが太平洋エリアで不具合発生。特に穀物業界に影響が出たようです。
16日に突然通信が途絶え、衛星の誘導により動く農機は立往生。生産者らはマニュアル操縦に切り替えたそうですが、困ったのは自ら運転して種を撒いたことが、ここ十数年なかったということ。今までは自動操縦ボタンを押すだけで、適切な位置に2センチ以内の誤差で運転されていたそうです。
広大な農地では、播種や農薬散布のわずかなズレが、大きなコスト増につながるとのこと。生産者らのフラストレーションは相当のものだったそうですが、幸いにも通信は18日午前6時に一部復活し、作業は通常通り再開されました。
今回の事故を巡り、農業団体オーストラリア・ファーム・インスティテュートは「衛星1つに依存するリスクが明らかになった」としています。
生産者らは、緊急事態に遭遇した場合における事業継続計画BCPの策定を急いだことでしょう。もっとも、トラクター操縦のリスキリングにも励んだかもしれません。(編集長)
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