オセアニア農業の歩み「政府と農業界に温度差」

今回のトップ記事では、燃料危機がオーストラリアの農業界に及ぼす深刻な影響を幅広く取り上げました。燃料価格の高騰と供給不足は、単なるコスト増にとどまらず、作付けの見送りや収穫断念、家畜管理や輸送計画の見直しなど、生産現場の判断そのものを揺るがしています。

また、燃料危機の影響が全国に広がる中でも、遠隔地やタスマニア州のように、もともと物流面で不利な地域ほど打撃が大きい点は見逃せません。

ボーエン気候変動・エネルギー相は、作付けに必要な燃料を農家へ重点的に回す方針を示していますが、連邦政府の燃料供給に関する4段階計画では、生命維持サービスや公共インフラ、緊急サービスが重要分野に指定される一方、農業は対象に含まれていません。このため農業界は、農業を重要分野に位置づけるよう強く求めています。政府が燃料供給は、現時点では「安全な状態」にあると説明するのに対し、現場では危機感が一段と高まっており、両者の温度差が鮮明になっています。

加えて、米国とイランは停戦で合意したものの、イスラエルはレバノンへの大規模攻撃を続けています。トランプ米大統領は、「停戦合意にレバノンでの戦闘停止は含まれていない」との認識を示したとみられ、これに反発したイランが停戦合意からの離脱も検討していると報じられています。燃料や肥料の供給正常化につながるのか、なお予断を許さない状況です。(本田歩)

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ウェルス編集部

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