オセアニア農業の歩み「農業界、3重苦に直面か」

今週も、燃料不足や肥料不足がオーストラリアの幅広い農業分野に及ぼしている影響を取り上げました。ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)によると、地方・農村部の企業は今後数カ月にわたり、燃料や肥料の供給不安に加え、金利変動という3重苦に直面する見通しです。

中東での紛争を背景に生産コストの上昇が続く中、オーストラリア準備銀行(RBA)が5月に再び利上げに踏み切るとの見方が出ているためです。NABは、多くの企業が事業継続に向けて資金繰りや取引関係の見直しを迫られる可能性があると指摘しています。

またNABによると、地方企業の間では、燃料やエネルギー価格の変動リスクに備えるため、太陽光蓄電池や電気自動車、電動フォークリフトの導入を検討する動きも広がっています。厳しい環境の中でも、コストの抑制と安定操業を目指した模索が続いています。

一方で、生産者にとって明るい材料もありました。輸出事業の採算性に影響を及ぼすと懸念されている輸出規制サービス(ERS)費用の回収への段階的移行が、当初の予定から1年延期されることになりました。投入コストの上昇に苦しむ生産者にとっては、ひとまず負担増が先送りされた形です。(本田歩)

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ウェルス編集部

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