オセアニア農業の歩み「過去最高の裏で」

今週は、遠い中東の軍事衝突が、オーストラリアの農業に与える影響について取り上げました。オーストラリアのカロリーベースの食料自給率は200%を超えており、日本や韓国の約3割と比べると、非常に高い水準です。しかし、肥料の多くは中東や中国など海外からの輸入に依存しており、地政学リスクが農業コストに直結しやすい状況にあります。

一方で、農業の足元は堅調です。農産物総生産高や輸出額は2025/26年度(6月期)に記録を更新すると予想されています。園芸分野でも輸出拡大が続いており、24/25年度の青果・ナッツなどの輸出額は過去最高となりました。成長をけん引した品目の1つ、かんきつ類は日本でも人気を高めており、オーストラリア産のオレンジやマンダリンは主要な輸入品目となっています。

生産高と輸出が同時に拡大する局面は、オーストラリアの農業の国際競争力の高さを示しています。ただその成長は、肥料や物流といった基幹インフラを海外に依存する構造の上に成り立っていることが改めて浮き彫りになりました。今後も中東情勢の悪化がオーストラリア農業に与える影響を丁寧に追っていきたいと思います。(本田歩)

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ウェルス編集部

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