オセアニア農業の歩み「酪農大国発の挑戦」

代替乳需要の拡大を背景に、ラクダの乳やヘンプといった一風変わった素材を使った飲料事業に挑むオーストラリア人とニュージーランド(NZ)人がいます。オーストラリア・クイーンズランド州で400頭のラクダを飼育するサマーランド・キャメルズはこのほど、冷凍ラクダミルク6万リットルを米国へ輸出する契約を獲得しました。ラクダミルクは皮膚や腸の健康改善に効果があるとされ、同社は需要のさらなる拡大を見込んでいます。

また、NZ出身のファウムイナ氏は、ヘンプから作る飲料を米国で次の植物由来ミルクのブームに押し上げようとしています。ヘンプミルクブランド「Dulve(ダルブ)」を立ち上げ、米国市場向けオンライン販売に向けた初回ロットの瓶詰めを進めています。当初はNZで事業化を目指しましたが、産業用ヘンプ栽培に関する厳しい規制や補助金申請の壁に直面したそうです。

いずれもニッチな分野ですが、環境負荷の低さや健康志向の高まりを背景に市場が生まれつつある点は共通しています。酪農大国として知られる両国から、あえて「牛以外」のミルクで海外で勝負しようとする姿は象徴的です。変化する食の潮流の中で、こうした挑戦が新たな産業の芽になる可能性もあり、今後の展開を注視したいです。(本田歩)

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ウェルス編集部

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