第30尾 「Mirror Dory(カガミダイ)」

マトウダイにも似ていますがこれはカガミダイ

9月半ばに、鮮魚店でマトウダイ科のカガミダイを見つけました。1キロ約25豪ドル(1豪ドル=約97円)。店主に聞くと、新鮮なので刺身にできると言うので、さっそくさばいてみました。すると予想通り、非常に美味な魚でした。

店では「Dory」として売っていたので、マトウダイかと思いましたが、あごがしゃくれ、銀色で平べったくてやや大型の形状。これは明らかにオーストラリア南岸に生息するカガミダイでしょう。

側面が鏡のように見えることから、付けられた名前だと思われます。最大70センチに成長する、肉食の海水魚です。

さばき方ですが、棘がとても硬くて鋭いので、3枚におろす前にまず棘を取り除くのが常道のようです。骨自体は多くなく、さばきやすいです。

筆者は刺身と塩焼き、みそ汁のダシに使いましたが、どれも絶品でした。白身は鯛の触感にも似た感じで、やや歯ごたえがあり、コクがある味です。マトウダイの肝の珍味は知られていますが、カガミダイにも同じようにさばくときれいな肝が出てきましたので、それをみそ汁の具にしましたが、やはり珍味でした。食べ方としては、もったいなかったかもしれません(苦笑)。

日本では高級魚の部類には入らないようですが、なかなかどうして美味しい魚で、オーストラリアで食べる刺身としてはいい食材になるはずです。【西原哲也】

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投稿者プロフィール

西原哲也
1968年長野県須坂市生まれ。早稲田大学社会科学部卒。時事通信社外国経済部記者を経て、香港大学大学院アジア研究修士課程修了。共同通信グループNNAの香港華南版編集長、中国総合版編集長を経て、現在NNA豪州代表取締役