湖城の窓から「農家とスーパーの調停者任命へ」

オーストラリア・クイーンズランド(QLD)州で、食品生産者コミッショナーが設置されることになりました。この職の目的は、◆食品価格の透明性を引き上げること◆農産物生産者と食品スーパーの市場競争力の不均衡を是正すること◆生産者が苦情を主張できる安全な環境を提供すること――の3点です。

コミッショナーの設置は、今年5月に州議会に提出されたスーパーの価格に関する8件の勧告のうちの1つ。マイルズ首相は「生産者が受け取る価格と消費者がスーパーで支払う価格の関係について、情報を提供し価格の透明性を確保する」とその役割を説明しました。同首相は全ての勧告を受け入れる意向を示しています。

生産者側はコミッショナーの設置を歓迎していますが、依然としてスーパーの報復を恐れる声も聞かれます。州北部ボーエン(Bowen)農業生産者団体のウオーカー代表は「不満を訴えたら、スーパーの注文を失うことになる」と懸念を示し、完全な匿名性が証明されなければ、生産者らはコミッショナーに苦情を訴えることをためらうだろうとしています。

スーパー大手2社は、州政府の発表に注目しているとし、「サプライヤーとの関係構築に注力していく」とコメントしています。

連邦レベルでは競争委員会が1年かけて調査を行っている食品価格問題。QLD州ではコミッショナーは来週にも法制化され、その後数週間で具体的な任命が行われる予定です。(編集長)

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